| 中国基礎知識「档案(ダンアン)」とは
(2005/05/25) |
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2回にわたって中国の戸籍制度について述べてきたがこれと並んで中国の社会主義の根幹となっているのが
「档案」である。これは世界に例の無い言わば中国社会のブラックホールの一つでもあり今回理解を深めていただくためにご紹介したい。
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「档案」は中国共産党が作成する国民の身上書のようなもので共産党政権の統治の基盤となっている。国民が小学校に入学した時点で作成され本人の氏素性、家族構成、学校の成績、結婚、就職、昇進、海外出張などその人がどんな人生を送り、どう死んだか、までの個人記録を党組織の担当者、教師、職場の人事担当者などにより克明に記録されている。
「档案」は本人が在学中は学校が保管し、卒業して官庁や企業に就職するとそこへ移される。
これらのデータは便箋に手書きで各人ごとに档案袋と称する茶封筒に入れられ保管されている。「档案」を見ることができるのは学校や企業の国家が定めた共産党員の中でも特定の人間だけで本人は見ることができない。
企業に入社すると「档案」は企業人事部門が保管するが、火事になっても絶対に燃えず、盗難の危険や人に勝手に見られないように金庫のような保管施設を保有する義務がある。
この施設を持っていない場合は地域の人事局や労働局の傘下にあるサービス機構に費用を払って預けなければならない。
(詳しくは人事局(档案局)が管理する「档案」と労働局が管理する「档案」と労働局が管理する「档案」の2種類があるが詳細省略)
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上海市の独資企業の場合、一人につき年間200元の保管委託料を払って地域の労働局に保管を委託している。弊社(上海日比野圧鋳有限公司)の場合も、現在従業員が350名余りいるので年間約7万元の保管委託料となるところだが、そこは中国、何事も交渉次第、実際は三分の一以下の費用で保管してもらっているが無駄な費用に変わりは無い。
档案は中国共産党の一種の身上書であるから独資企業は「档案」を預かることができないだけでなく費用がかかる何のメリットも無い制度である。
以前は「档案」がないとどこも採用してくれなかったが、最近は一般のワーカーであれば電柱の求人広告で来た人を採用するごとく企業間の人の移動が活発になり、外地人(地方出身者)においては「档案」に束縛されない“闇採用”が一般的になりつつある。また転職に伴って住所移転も日常的になり「档案」の移動や書き込みも急速に増加しつつあるが、その都度の記録や移転コストは企業の大きな負担となりつつある。
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市場経済の伸展に伴い必然的に档案制度は弱体化していくと予想されるが、共産党にとっては依然として統治の大きな武器にかわりなく戸籍制度とともに中国で企業経営する上では避けて通れない制度といえる。
余談ながら、中国の公務員はこの「档案」により人生が左右されるので自分の行動には大変慎重である。中でも、一晩の売春行為でも発覚すると档案に記入され、降格は勿論、解雇や免職の可能性だけでなくその後の人生を棒に振る非常に厳しい結果となるケースが多いが、同じ女性問題でも今で言う援助交際や妾の存在が発覚してもお咎め無しというところが中国的でおもしろい。 |
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