トップ>中国ビジネス最前線 Viva! China 2006年8月号
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2006年8月号
秘 中国ビジネスのコツ /中国ビジネスセミナー(32)―多氣史隆
暑い夏の3K工場の労務管理 (2006/8/25)
夏が近づくと当社の人事部長は緊張する。上海は日本にも増して夏は暑くて長い。35度以上の気温が何日も続き時には38度と体温より高い日もある。
そんな中、典型的な3K職場のアルミダイカスト製造、冬は問題ないが夏は大変。670度に溶けたアルミ溶解炉の側は40度以上、時には50度に近い。また仕上げ作業もアルミの粉塵が多いのでメガネ、帽子、マスクと完全防備の様な姿で作業を行なうこととなる。冷房が無いのでこれも汗びっしょりの作業。加えて、当社の場合毎年この時期がクリスマス商戦を控え季節的に最も忙しい。また昨年までは夏の期間中に強制的な一週間の「停電休み」があったので従業員の休養には効果的であったが、幸か不幸か今年から電力事情がよくなり恒例の停電が無くなった。そこで何とか病人や落伍者(退職者)を出さずにこの夏を乗り切りたいと人事部長は知恵をしぼることとなる。
1.高温手当て:一ヶ月100 - 200元。(日本円で1,450−2,900円程度)仕事のきつさの程度により差をつけている。この手当ては当地の殆どの工場で採用されている。
2.夏季グッズの配布:タオル、石鹸、シャンプー、洗剤などを6月,7月,8月の期間は毎月40元程度(日本円で約580円)の詰め合わせを全員に配布。これが意外と従業員に喜ばれ評判がよい。
3.塩水飲料やアイスキャンデーの配布:33度を超えると休憩時間に配布。暑さと部署により細かく取り決めがある。
4.社内食事の内容強化:昼食や夕食(いずれも会社負担)の品数を一品追加し栄養面から夏バテ防止をはかる。(費用としては一人1元の増加)
5.時間短縮:気温が38度を超えると1時間の労働時間短縮を政府(労働局)から指導されている。しかし、当社の場合生産性が落ちるので1時間の残業代をつけることで正常運転を維持している。
なお、中国の国営企業は38度を超えると工場はお休み。このため気象局が発表する気温は皆が注目しており、37.9度よくあるが各種の配慮から38度を超える発表は実際より少ないと伝えられている。
6.イベントの開催:従業員の楽しみを作るために今年は社内「海水浴」を企画した。中国の内陸部からの出身者が多いので海を見たいとの希望を入れて7月下旬に実行した。子供の参加をOKしたので参加者は400名強となりバス8台を貸切り、上海の最南端にできたばかりの海水浴場で一日を楽しんだ。
これらの施策は当地企業は各社各様に実施しているものですが、いずれも経費がかかり当社の場合、夏場は15%程度労務費が増加する。
しかしながら、いろいろの工夫にもかかわらず、仕事での徹夜が続き暑さで倒れて点滴を打ちに病院にいく者、風邪で休む者など毎年の行事のようにこの時期の工場運営は大変です。(中国人は医者も患者も点滴大好き人種です。ほんの軽い風邪でも点滴!点滴!と病院に行きたがる)
しかしながら、昨今一般作業者の不足から流動化が激しくなってきているとの情報の中、今年、きつい仕事を理由に辞める社員が殆ど出ていないのは前述の施策が一定の効果を挙げているのかも知れないと考えています。
「早く涼しくならないかなあ!」というのが当地の工場経営者の切なる願いです。
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